私は1973年、イトーヨーカドーに入社しました。店舗が毎年10店ほど出来て、異動が多いので「イドウヨーカドーだ」なんて言われました。1970年に組合が出来たのですが、労働条件はメチャメチャで、私は執行部批判をしました。そしたら呼び出されて、「お前の言っているとおりだ。出来たての企業だから問題をたくさん抱えている。だから労働組合を作って、労使で自分たちの子供が入りたいと思える企業にしたいと頑張っている。外から文句を言うだけではズルイだろ! 文句があるなら中に入って一緒にやるべきだ!」と言われ、1975年に中央執行委員、翌年から専従になりました。
 流通業は自由競争の中で戦っています。利権を得るため、政治に働きかるということはありません。だから当時の私は、あまり政治に関心は持っていませんでした。しかし、バブルが弾け、私が委員長になった1992年頃から国の財政が苦しくなり始めました。そのとき「取りやすいところから税金を取る」という現実を肌身で感じました。自分でどんなに努力しても、政治が動いたら簡単に吹き飛んでしまうということです。

 政治は、国民から税金と社会保険料を徴収します。それも取りやすいところから。以前はボーナスから社会保険料が引かれることはありませんでした。帰ったら給与明細を取り出して、年間、税金と社会保険料を幾ら納めているか計算してくれませんか。現金では用意できない額です。実は私たちも悪いのです。給与明細は手取金額しか見ないから。だから痛税感がありません。
 1998年、小渕内閣は景気対策として20%の定率減税を実施しました。恒久的減税と言って。それが3年前から「景気は回復した」と、あっという間に無くなりました。こんなこと、よその国なら暴動が起きます。
 当時、健康保険組合が1800以上ありました。老人医療にお金がかかると「老人医療の拠出金」があっという間に決まり、何十億と持って行かれる。だから労使で頑張って運営してきた健康保険組合が次々と潰れました。今は1400ちょっとです。
 私は高木会長(当時)の部屋に怒鳴り込みました。「ゼンセン同盟と連合は何をしているんだ!」と。すると「お前の言っているとおりだ。ならば、言える所に行ってみないか」と言われました。本当に私は根が単純です。カミさんも会社も反対しましたが、2001年の選挙に出ることにしました。
 このときの首相は森さんです。麻生さんよりもっと人気が無かった。そこで、自民党は有名人を連れてきて、その名前を書いてもらえば当選枠が増える「非拘束名簿式」という選挙制度を導入しました。
この制度の徹底は、本当に難しいものでした。個人名が多い順に当選者が決まるのに、「柳沢さん、民主党って書いてきたよ!」という人が本当に多くて、落選しました。
 「やるだけやったんだし、もう気が済んだでしょ。帰っておいでよ」会社も出身組合もそう言ってくれましたが、このまま逃げ出すのは嫌でした。そこで、イトーヨーカドーを退職し、ゼンセン同盟に籍を移しました。3年間、全国津々浦々廻らせていただきました。私にとってこの3年間が、議員になる腹固めが出来る、本当に大事な期間でした。
 全国各地で涙が出るような場面をたくさん見ました。賃金カット、ボーナス・ゼロ、希望退職、事業所閉鎖、そして企業倒産・・・。だから議員になって一発目の質問がハローワークでした。(注1)こうした人たちが本当に苦しんでいる。しかし運営はまるで人ごと。更には、私たちが雇用保険として収めたお金なのに、失業給付を渡すときには「お前らにあげてやる」と言わんばかりの対応をする。だから厳しく追及しました。
 全国を歩いてムダ遣いの実態も見てきました。不要な高速道路、豪華な市庁舎。使われない文化センターやスポーツセンターも多い。ハコモノの恐さは、出来上がったあとには維持費が掛かることです。もっと困るのは、ポストが出来て天下り先になる。その人件費もずっと税金が使われ続ける。
 私が国会でタウンミーティングのムダ遣い(注2)に対して机を叩いて怒ったら、一回、1200万かかっていた経費が90万になりました。こんな無駄遣いがいたるところで行われている。ですから私の政治信条は「ムダにしません。汗と税!」にさせていただきました。このツケを払わされるのは、皆さんと皆さんの子ども達です。年金は団塊の世代で食いつぶします。今のままでは持ちません。給与所得者は、源泉徴収で全額収めているのに。
昨年、川合さんが当選し、参議院選挙に勝つことができました。ホント嬉しかったです。そして、今まで隠れていたモノが次々と出始めました。5095万件の年金未記入や6.4兆円の年金のムダ遣い。参議院で逆転して、やっと少し膿と垢が出た。けどほんの一部に過ぎません。
 ハッキリ言って、民主党政権になったからといって、簡単に良くなるほど生やさしいモノではありません。54年間、自民党政権で溜まった膿を出す、そして仕組みを変えるのは大変です。けど、まだ手遅れではない。だからもう少し時間を下さい。その為には、来年の参議院選挙で単独過半数にならなければ、政権を安定させなければダメです。
今、官僚の皆さんも緊張感を持っています。それ以上に国会議員が緊張感を持っている。中でも民主党議員からヒシヒシ伝わってきます。政権を取ったら文句を言っているだけでは済まない。官僚主導から政治主導へ変えるには、ちゃんと勉強しなければならないからです。
 実は政治主導で出来るのは、実態を表に出すところまでです。じゃあ、どうやって変えるのか。あとは国民主導で変えるのです。政権交代した一番の成果は、国民の皆さんが、初めて自分たちが政治家を選び、政権を変えることが出来ることを肌身で感じたことです。やっと日本にも民主主義が起きました。民主党がモタモタしていたら、また変えたらいい。国民のためになるのかという視点で考えないと、皆さんの将来はありません。
 だから政治に関心を持って下さい。必ず投票に行って下さい。「私の1票」が集まって政治が動くのです。多くの人が判断した結果は、必ずバランスが取れたものになります

 最後に、私に浮動票は1票もありません。ですから来年7月の参議院選挙では、「柳沢みつよし」という名前を広めていただき、応援していただくことをお願いします。ありがとうございました。 (内容は一部抜粋)

 
この国を変えるのは私たち